PENTAX SPF フィルムカメラ修理
こんにちは
1/1フィルムカメラサービス修理者 ハヤシ ショウタです。
今回はPENTAX SPFの修理に関して書いていこうかと思います。
PENTAXから1973年に発売された機種です。今年で発売から50年になるようです。
よく売れた先代のSPに開放測光、ホットシューが付いたモデルになります。
SPは絞り込み測光のためカメラを使い始めた方には少し使いにくいところが
あるかと思います。
そのあたりをより使いやすくした改良モデルといった位置づけになります。
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絞り込み測光とは?
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実際にレンズの絞りが絞り込まれた状態で測光する方式。実絞り測光とも言い、理論上最も正確な測光が行える方式である。
露光する段階と同じ状態で測光するので複雑な回路が必要なく、初期のTTL露出計内蔵一眼レフカメラでは広く普及した。しかし測光のために絞り込む手間が掛かるため、次第に開放測光に取って代わられることとなった。 現代でもマウントアダプターを使用する場合など、マウントの連動機構が使えない場合は絞込み測光を行うほかない。またレンジファインダーカメラにおいては、絞りを開放状態にしておく必要がなく常時設定値に絞り込まれた状態にあるため、TTL露出計を内蔵する場合は必ず絞り込み測光である。 瞬間絞込み測光、ダイレクト測光も絞り込み測光の一種である。(Wikipediaより)
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開放測光とは?
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絞り測光の欠点を解消するために、開放状態で測光しても正しい露出を得る方式。
TTL露出計を内蔵する現代の一眼レフカメラのほとんどはこの機能を実現している。レンズマウントに絞り設定値の連動機構を備え、カメラボディ側に設定された絞り値を伝達することによって、開放状態での測光値から絞り込んだ状態での値を算出し、適正露出を計算する。オートフォーカス一眼レフが登場して以降、ボディ側で絞り値を設定するものが増えたが、この場合はその設定値を使って計算する。(Wikipediaより)
では本題に入ります。
弱点・修理箇所
PENTAXのこの時代のモデルはシンプルにかつ壊れにくく
作られていると思います。ですので機構的な問題は比較的
直るカメラだと思います。
ですが、50年程度経っているカメラに変わりはなく、
オイルの劣化からくるシャッターの不具合やスローの不調
特に散見されるのはプリズムの腐食かと思います。
横方向に黒い線が入ったり、点線になったりなど様々ではあります。
今回ご依頼いただきましたお客様のカメラにも腐食が見られました。
その場合は交換(別途費用を頂戴します)、もしくはそのまま使用するかを
お客様に決めていただく形になります。
お問い合わせの際に下記のご質問をいただきます。
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プリズムの腐食は写真に影響するのか
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いいえ、プリズムの腐食は撮影した写真には影響はありません。
腐食は確かに写真の写りには関係ありませんが、
撮影するお客様の撮りたい気持ちにさせるカメラかどうか
というところには左右されるのではないかと思います。
もう一つ上げるならばSPと比較して少し重くなったことでしょうか。
そのあたりは手に取って確認してみるのがいいかと思います。
1/1で行う修理内容
大まかに修理内容を書いていきます。
前板を明け、ミラーボックスを取り外したところまでの写真です。
- ファインダーの清掃
- 駆動部への注油
- シャッター測定器を使用した幕速の点検、調整
- スローガバナー清掃、注油
- スローガバナー位置調整
- セルフタイマー清掃、注油
- 接点部分の清掃
- メーター調整
- 巻き上げ点検
- フィルムを入れた巻き戻し点検
- シンクロテスト
- 外観、フィルム室清掃
マウント裏側に接点があります。
こちらも分解し、清掃します。
大まかにはこんな感じです。
修理者のひとこと
SPFは中古価格も安く、初心者の方も初めての1台の候補に入れる
そんな機種かと思います。
M42のスクリューマウントですのでレンズの選択肢も豊富ですね。
デザインもTHEフィルムカメラみたいな外観でかっこいいですね。
(完全に主観です)
SPFは中古カメラとして見かけることもあれば、
年末の大掃除の時に出てきたなんてこともあるかもしれません。
そんな時はぜひ1/1までご連絡ください。
お問い合わせもしくは下記コンタクトフォームより無料でお見積りしています〇
お気軽にご連絡ください。
ではまた
1/1 repaire ハヤシ ショウタ