ローライ35(Rollei35)【さらに詳しい修理内容やこだわり修理ポイント】

for you

・Rollei35の修理を考えている方

・Rollei35をどう修理しているか知りたい方

・Rollei35を安心して修理したい方

こんにちは

京都のフィルムカメラ修理店1/1 filmcamera service 修理者のハヤシ ショウタです。

以前投稿したローライ35のブログより詳しく、どのあたりまで修理を行うのかなど今回ご紹介させていただければと思います。

この機種への修理愛があふれておりますので、今回特別編としてブログ作成しています。

ここ数か月でなかなかの量のローライ35の修理を行い、撮ってきた写真たちもありますので、このあたりでさらに詳しいブログを書こうと思った次第です。

修理は修理を依頼してくれる人にはどんなことをしているかというのがいまいち伝わりにくいところがあります。

そういった不明瞭さというものがどうも修理をする気になれない一つの要因じゃないかなと思っています。

そういった不明瞭さを取り払うのにある程度はやっていることを見せていきたいというのが私の考えです。

そのため修理をしていただいた方々には修理過程写真をお付けしています。

露出計

ローライ35の2台に1台は露出計に問題を抱えているといっても過言ではないかと思います。

もちろん露出計の不具合といっても症状は様々です。

  • そもそも動かない
  • 振り切れている
  • 暗いところでも戻らない
  • ほとんど動かない
  • 不安定

などなど症状は様々です。最近の修理では暗いところでも戻らないというパターンが多いです。

症状によって、状態によって対処法は違いどかが悪いのかを見極めながら修理対応していきます。

メーター本体はストックしていませんが、そのほかの部分は代替品にて修理対応いたします。

この写真ようにフレームから露出計のユニットを取り外すこともしばしばあります。ファインダーや巻き上げも外すことでカメラかどうかわからない状態まで持っていきます。

これだけ何もないのはなんだかシュールですね。

代替品では調整に少しコツがいりますが、何台もこなしていますのでご安心してご使用できる露出計の状態を取り戻していただけると思います。

スロー

ここも弱点の一つですね。

スローガバナーがうまく動かないローライ35は非常に多く、露出計と同じくらい多いかと思います。

ガバナー自体の破損は残念ながら交換などのご対応となりますが、ガバナー自体が壊れているという事はあまりなく、90%がオイル管理の問題というイメージです。

そのためオイルを取り除き再度新しいオイルを入れなおします。多すぎず、少なすぎずを心がけています。

ここに多量のオイルを入れてオイルまみれになっているものも時々ありますが、後々のことを考えて対応をいたします。

シャッター関係

ローライ35のシャッターはこんな感じでついています。よくこの薄い板に作ったなと開けるたび思います。

メンテナンスを久しぶりに行うカメラですので、古いオイルを取り、新しいオイルへと交換していきます。

詳しくは書きませんが、カメラを長く使用していただくための対策なども行っていきます。

アーム類の動きもこの際に確認していきます。錆びついているものもよく見かけますので、対応していきます。

シャッター羽根が不具合を起こしているというケースは少ないですが、念のため羽根の清掃も行っています。

動きもよくなりご安心してお使いいただけるように対応していきます。

レンズ周り

レンズはもちろん分解して清掃を行います。

シャッター羽根を清掃する際にこちらも同時進行していきます。側面にレンズへアクセスできる為チリなどが少し入りやすい構造ではありますが、

できる限りの清掃を行っていきます。腐食や傷、曇りなどは取れませんのでご了承ください。

レンズと同時進行させるものがもう一つあります。それはヘリコイドです。

ヘリコイド

ローライ35の修理においてヘリコイドのグリス交換は必須といってもいいです。

気持ちよく動いているフォーカシングリングも開けてみると錆も出ているしグリスも劣化しているなんてことはよくあることです。

グリス抜けしているものもかなり多く、古くなったグリスを取り除き新しいものに入れ替えていきます。

何もご指定がない場合はこちらで良いと思う重さでご対応させていただきます。スムーズに軽すぎないタッチを意識してグリスの配合を変えていきます。

ざらつきの気になるものには対応できるグリスを入れ、重さを調整するなどなど様々です。

今の重さよりも重くなどの指定があればご対応させていただきます。

お客様のご要望に応えるようご対応させていただきますが、タッチというのはかなり感覚的な話になりますので、できる限りのご対応となります。

鏡筒

沈胴しないというケースもあります。この辺りは基本的な対応で直ることがほとんどです。部品交換等は必要になるケースはあまりありません。

落下させてしまった為鏡筒が欠けてセットできないという事が今まで1度だけありましたが、本当に稀なケースです。

その他鏡筒で問題があるとしますと下に向けるとレンズ部分が出てきますというご依頼です。こちらも結構多いですね。

フェルトの厚み調整にて対応しますが、この調整が結構大変で、0.何ミリの差で結構変わってきますので何度かトライして落ちてこない重みを探ります。

カウンター

カウンターが進みにくい、戻らないという症状もちらほら見ます。

この辺りは対策方法が何個かありまして、そのどれかにて対応することでカウンターが1くらいから進まない症状やカウンターの戻りの悪さを改善できます。

カウンターは下についていますので、見ていないなんてことも多いのではないでしょうか。私はそうでした。

組み上げ

Made in Germany初期ロット ギアが金属になっています。

ローライ35の主な修理ポイントをご紹介したのでそろそろ組み上げていきます。

私のやり方ではまずファインダー周辺を組み上げていき巻き上げてこの際に何か違和感を感じないかを確認していきます。

巻き上げの違和感というのは使っている方からするとなかなかのストレスです。

一つ一つの動作を気持ちよく行っていただけるように点検していきます。

こちらはギアがプラスチックです。時々歯が欠けるという事もあります。

余談ではありますが、MADE IN GERMANYモデルの一部にはこちらのギアが金属製になっています。

ギアの歯の数も違いますので、巻き上げ心地というのもプラスチックのギアの物に比べ少し滑らかです。

このあたりで巻き上げ心地をまずは確かめて先に進みます。

前板等を取り付けて修理完了となりますが、前板の組み上げもちょっと気をつけるところがあり、シャッタースピードダイヤルや絞りのダイヤルがうまく動くか等も確認していきます。

ASA感度ダイヤルが動きにくいなどありますが、そのあたりも部品の大きな変形などがない限りしっかりと対応していきます。

各部品がスムーズに動くことを確認したら最後は露出計の調整を行います。調整を行い、接点不良や配線不良があると挙動が怪しくなったり、適正値を指していたのに数日後にはくるっているなど様々です。

何日か確認をしてご安心して使っていただけるように対応いたします。

このように毎度修理をしています。ローライ35の修理を迷われている方、よろしければお見積もりからどうぞ。

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    最後に

    やはりこのカメラはかっこいい。

    その言葉に尽きるような気がします。このカメラがレンジファインダーだったらとかそんなことも考えますが、この目測式というのもまたいいところなのかもしれません。

    それにこのコンパクトさにレンジファインダーの機構を詰め込むのは少し無理がある様にも思います。

    ポケットに忍ばせられる高級機。沈胴式というのもそそられるポイントですね。

    私が持っていたローライ35は先日どうしても部品交換の必要なカメラが出てきた際に使ってしまい、不動となりました。(仕方ないですね)

    このカメラに愛があふれているとか言いながら今持っていないというのも変な感じですね。自分用にしっかりと整備をしたローライ35が欲しいものです。

    気軽に散歩に持っていきたくなるカメラがいいカメラではないかと思う今日この頃ですが、その基準で行くとこのカメラは私の中では最も優れたカメラという事になりそうです。

    ローライ35の修理に関しましてはこのように至る所に気を使いながら修理を行っています。カメラの動作に少しでも違和感を感じられているお客様、修理のご相談などお気軽にどうぞ。

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    repairer ハヤシ ショウタ