CANON F-1の修理
1/1 filmcamera service 修理者のハヤシ ショウタです。
今回はCANON F-1の修理についてです。
1971年に発売されたCANON F-1当時のCANONの
フラグシップ機です。Nikonのプロ用機の対抗馬として
出てきたイメージがあります。
この触って分かるタフさ、修理者自身はNikonのFシリーズを
メインで使いますが、このカメラは良い。
そして自身がこのカメラが好きだからか、F-1の修理も
好きなんです。余談は置いといて修理に移ります。
目次
カメラの状態
今回のカメラの状態は
- 電源が入らない
- ミラーアップを起こす
- ファインダー汚れ
- 電池ボックスの錆
- レールの錆
- スローガバナー不良
上記が主な修理内容でした。
電池を入れても通電しないので、スイッチ部分と
電池ボックスを疑いましたが、かなり錆の出ている
電池ボックスをまずは清掃していきます。
ミラーアップ、スローガバナーの不良は
おそらく共有の問題かと思いましたので、
スローガバナー洗浄、注油、各部の注油にて
対応いたします。
どのような修理を行うか
今回の症状から
- スローガバナー清掃
- モルトプレーン張り直し
- 電池ボックスの錆を落とし、メーター調整
- ファインダー清掃
- レールの錆落とし
等を行っていきます。
電池ボックスの錆は非常に取れにくく母材の寸法を
なるべく変えないように錆を落としました。
スイッチ部分も清掃し、通電が確認できました。
スローガバナーはオイル切れを起こし、
ほとんど動かないような状態でしたが、清掃、
注油とプロセスを踏むことでしっかりと動くように
なってくれました。
各部の注油にてミラーアップもテストでは
再現しませんでした。
モルトプレーンの交換限定修理を除いて基本的には
全点検修理という形で修理をさせていただきます。
部分修理を希望されるお客様もいらっしゃいますが、
古くなったフィルムカメラは一部を直してもまた別の場所が
動かなくなったりすることが多々あります。
一度直したのにもかかわらずまた修理か。となるとそのカメラに対して
どことなくマイナスイメージを抱かれるかと思います。
そうならないように1/1では全点検修理を基本としております。
CANON F-1は直るの?
CANON F-1ですが
水没や幕の破れなど大きな故障以外であれば
直るカメラだと思います。メーターに関しましては
ドナーが必要になる場合もございます。
スローガバナーに関しては動かしていない個体は
今回同様スローの役割を果たさないもの、ガバナー残り
(スローで切った後もジーと音が鳴る現象)を起こすものも
あります。しかしこの辺りは調整で対応可能かと思います。
よくある現象としてししんが 動かないというものがあります。
こちらも対応可能です。
以上を踏まえてCANON F-1は比較的直ってくれる
カメラだと考えます。
製造から年月が経ったカメラを修理いたしますので、
新品同様の精度が出るかといいますとそれは難しい場合があります。
パーツが破損している場合は中古品からの移植となりますので、
完璧な精度の保証はできません。綺麗にに写真が撮れる状態に
直すという修理を行っていきます。
残念ながらパーツが手に入らない場合や精度が全くでない場合は
ご返品するという事もございます。
その旨ご理解いただきますようお願い申し上げます。
修理人のひとこと
ひとことですが、やはりF-1の修理は”楽しかった”ですかね。
修理者の努力に見合う精度で恩返しをしてくれるような
素直さを持ったカメラだと思います。気になる不具合は
クリアし、気持ちよくお使いいただける様に動いてくれたと
思っております。
お客様のフィルムカメラライフが充実することを
心より願っています。ご依頼いただきありがとうございます。
納期
納期に関しましては現在ご依頼いただいています台数によって変動します。
基本的には1~2か月程度と考えていただければと思います。
入念なチェックを心がけていますので納期は多めに頂戴しております。
お客様のカメラをいい状態に戻すには多くの工程を丁寧に行う
必要があります。オイルを入れ替えても測定数値が時間が経つにつれて
変わっていくことがあります。なるべく精度がしっかりと出た
カメラをお客様には使っていただきたいので、適切なカメラ修理を
行うためにも早く直してほしいといったご要望には
答えられない場合がございます。ご了承ください。
あまりフィルムカメラを直す機会というのはないと思います。
丁寧に時間をかけてしっかり修理を行う1/1で修理してみませんか?
大切なカメラを安心してお預けしていただくために
大切なカメラをお預けいただくにはお客様にご安心いただき、
ご納得いただいたうえで修理をしていただくべきかと思います。
そこで1/1のご安心していただけるポイントを紹介いたします。
修理後90日間自然故障に対応
1/1で修理いただいたお客様には90日間の自然故障にご対応いたします!
修理後は余裕をもって保証期間内にテスト撮影をされることをお勧めいたします。
※自然故障のみになりますので、水没、落下、正規の使い方から逸脱した使い方などは
対象外となりますのでご注意ください。
※調整では制度が出ないため別途部品が必要になる場合は別途部品代が必要となります。
カメラメーカーで使用されていた測定機による点検、調整
せっかく修理をしたものの動くようになったものの
どことなくシャッタースピードやメーターがずれているような?
そんなことがないように大手カメラメーカーが製造時に使用していた
京立電機株式会社製のカメラテスターを用いてお客様のカメラを
チェック、調整を行います。
レンズのピント調整にはパール光学工業株式会社製コリメーターを
使用いたします。
別途代金をいただけますと可能ですが、基本的にはフィルムを入れての
撮影テストは行いませんので、ご了承ください。
これまでの経歴
1/1はまだ新しいフィルムカメラ修理店ではありますが、
メーカー認定の東京カメラサービスでの技術習得を経て開業しております。
年間100台以上をコンスタントにこなしておりますので
少しでもご安心いただければと思います。
最近は修理をしながらどの程度まで修理をしていくか考えるときに
”自分がこのカメラを欲しくなるように修理する”という事を基準としています。
そこそこの出来上がりの商品ではなく、
修理者がこのカメラなら手元に置いておきたいなと思う程度まで
修理を行っていくように努力しています。
あなたのカメラの持つポテンシャルを最大限発揮できるように
私の技術を使っていければと思っています。
修理するにはどうすればいいの?
1/1で修理をしていただくには郵送にてカメラを
お送りいただく必要がございます。
【お送り先】
〒606-0043
京都府京都市左京区上高野古川町14
ツジハウス313
1/1 filmcamera service ハヤシ ショウタ 宛
手順
- カメラを梱包する(お客様)
- 上記住所へお送りいただく(お客様)
- 到着、点検、本見積(1/1)
- 本見積確認後の修理をするかどうかの判断(お客様)
- (進行の場合)修理開始(1/1)
詳しくは下記PROCESSページをご確認ください。
梱包に関して不安なお客様へ下記ページをご確認ください。
ご依頼、ご相談用メールフォーム
皆様からのご依頼お待ちしております。
1/1
repairer ハヤシ ショウタ