フィルムカメラを修理するということ【修理を迷っている方へ】

for you

・少し変な気がするけどフィルムカメラって古いからこれが普通かな?

・ずっと使ってきたけれど以前と少し様子が違うような、、、

・そもそもいくらくらい修理代がかかるの?

と考えている方へ

最近中古で買った、以前から使っているカメラの状態がわからないもしくは状態があまりよくないかもしれない...

そうお思いの方や修理しようと迷われている方に是非読んでいただければと思います。

Rollei35
修理中のRollei35

こんにちは。

京都でフィルムカメラの修理をしています修理人のハヤシ ショウタです。

今回はフィルムカメラの修理をするかどうか迷っている方に向けてブログを書いています。

そもそもフィルムカメラの状態ってあまりよくわかりませんよね。

なんとなく使えてたり、なんとなく壊れていたり。またそれもカメラの味かなとそのままお使いになられる方もいらっしゃると聞いたりします。

これが普通かなと思っていたら現像の時に一度カメラを修理屋さんに見てもらった方がいいよ?なんて言われたことがある方も多いのではないでしょうか?

楽しみ方は人それぞれなので壊れているところもとしてお使いになられるのであれば私はそれはそれでOKなのかなと思ってます。

趣味でフィルムカメラを使うにおいて失敗はないという考えなのでご自身の納得のいく使い方を推奨します。

(ただ修理やメンテナンスをしないと撮れなくなったり、最悪の場合手放すことになる危険性を持っているのも古いカメラの特徴です。そちらは一度考えてみてくださいね。)

フィルムカメラを使って違和感を感じられているあなたへ

ですが、もしもフィルムカメラの状態にちょっと変だな。と違和感を感じられているのであれば、修理やメンテナンスをお勧めしています。

一度もメンテナンスをせずに使っているカメラは基本的には一度メンテナンスを行うべきカメラたちです。

フィルムカメラは精密な機械なのでノーメンテナンスで長く使えるものではありません。

露出計を見ながらちゃんと撮ったはずが少し変だったり、ところどころ赤い線が入っていたり、何枚か撮れていなかったり。

こういったことも本来は起こらない現象の一例です。

F2
Nikon F2

フィルムカメラをあまり使い慣れていない方には最初手にした状態を基準と考えられる方が多いですが、それって実は少し危険なことです。

大切なカメラなのに壊れた状態を基準とすると不具合に気が付きにくく、最悪の場合修理ができないケースすらあります。

譲ってもらったカメラで、あまり変わったところはないと思いますが、一度点検をお願いします。とご依頼いただいたカメラがいろいろと部品の欠けていて、精度も出ていないカメラだった。

なんてことはよくある話です。

フィルムカメラって古いからこんなものかな?

何か変な気もするけれど大丈夫かな?

なんて思いながら使っているそのカメラですが、あなたが感じられている違和感は実は正しい違和感である可能性も高いです。

壊れながら使い続けるとやはり部品自体にダメージが入りやすくなります。軽い力で動くはずの部品が動作不良で動きにくく、ほかの部品に負担をかけたり。

そういったことの蓄積で部品の摩耗や破損が起こり、調整が効かなくなるなんてケースは多々あります。

だからこそなんとなくは動いているけれど違和感を感じている今が修理、メンテナンスの良いタイミングなんです!

今動いているという事は部品や機構自体にはまだそこまで大きなダメージが来ていないという事。

各部の動きが悪くなってきているだけで修理できる可能性が高いという事になります。

だからこそ私は言っておきたい。

今のうちに修理、メンテナンスをしてみませんか?

こんな症状があったらフィルムカメラ修理のタイミング

今は壊れていないけれどカメラが小さくSOSを出しているケースが多々あります。その症状を少しばかりご紹介したいと思います。

巻き上げが重い

長い間メンテンナンスをしていないフィルムカメラは巻き上げが重いものがあります。

もともと巻き上げが重めのカメラもありますので、重い=壊れているとは言えませんが、巻き上げること自体に苦労するほどのカメラはメンテナンスや修理をお勧めします。

オイルやグリスの劣化からくるものもあれば部品自体の変形や摩耗または破損などが原因の巻き上げの重さもあります。

きしんだ音がする

巻き上げる際や巻き戻す際、シャッターを切る際には数多くの部品がカメラの中で動いています。

本来軽く動かないといけない部品がオイルやグリスの劣化によって動きが悪くなって少し甲高いきしんだ音を発します。

そのような場合は一度メンテンナンスの必要があるかと思います。

ファインダーの汚れが目立つ

上の二つは動作についての症状だったのに最後は綺麗かどうかというのはどうも変な気がするかもしれません。

ですが、ファインダーがかびたり汚れたりしているカメラはメンテンナンスのされていない証拠です。

修理をする際にはファインダーの清掃は基本です。もちろん傷や腐食というのは直すことはできませんが、汚れや多少のカビは取れます。

その処置が行われていないという事はカメラ内部の汚れやオイル管理に関しても手が行き届いていないことがほとんどです。

音や重さというのは多少なりとも知識がないとわかりにくい可能性がありますが、ファインダーの汚れなどは確認いただくことができるのではないかと思います。

モルトプレーンの劣化

遮光材のモルトプレーン(黒いスポンジ状の物)がボロボロになっているものは写真を撮っても感光したり、反射ミラー用のモルトプレーンがなくなっているものはクッションがなくなり、反射ミラーの割れが起こったりとメンテナンスの時期を迎えています。

基本的にモルトプレーンは修理時に交換しますので、ここが劣化しているカメラは長年修理やメンテナンスされていないと判断できます。

中古品と修理の比較

修理をしていてよく聞く言葉があります。

その修理代だったら中古品買った方が安いですね。

修理屋としてはあまりききたくない言葉ですが、実際のところ修理代よりもオークションなどの中古品を買うほうが支払う代金としてはかなり安く済みます。

オークションやフリマサイトが身近になり、簡単に安く手に入る状況でこういった感覚になることは何の不思議でもありません。

ただ、修理するなら中古品をまた買えばいいと思っている方ってけっこういらっしゃるんですが、忘れないでください。中古品はあくまで中古品。また壊れる可能性を持っています。

今買える新品というのは最近出たPENTAX17くらいのもので、買い換えてまた安心して使えるフィルムカメラってほとんどないと思います。

ただし、整備品というのであれば安心して使用していただけると思います。ですが、整備品は少し値段が上がりますし、実際だれが整備したのかもよくわからない。

ここからは某オークションサイトと某カメラ屋さんのオンラインショップの価格を参考にお話しさせていただきます。

今回例に挙げるのはOLYMPUS PEN-S 2.8です。

機種名販売元価格備考
OLYMPUS PEN-S 2.8オークション約4000円(平均)現状渡し
店 中古品(メンテなし)約7000円(平均)現状渡し
店 中古品(整備済み)約17000円現状渡し
1/1(修理料金)20900円(基本料金)保証あり

このような価格差となりました。

皆さんのおっしゃる買った方が安いという価格の比較対象はオークションという事になります。といいますか、どれも修理代に比べれば安いですね。

どんな修理をやったかというのは今後そのカメラを使っていくにおいて大事になっていきます。

それにせっかく買ったものをすぐに手放すというのはなんとなくもったいない気がするのは私だけでしょうか?

それであれば今あるカメラを直しませんか?

ご安心してお使いいただける状態を作りますし、保証もつきます。オークションで状態のわからない物を買うのとは一味も二味も違います。ご安心ください。

ただ、私は皆さんのタイミングで修理してほしいと思っています。

だからこそこうしてある程度の修理のタイミングを知っていただき、そこからはお客様がどうするかは考えてほしいのです。

修理に出していただけるのであれば自分のできることをできるだけ丁寧に行わさせていただくというスタンスでいます。

どのような修理をしているかの例↓

ローライ35(Rollei35)【さらに詳しい修理内容やこだわり修理ポイント】

こんにちは 京都のフィルムカメラ修理店1/1 filmcamera service 修理者のハヤシ ショウタです。 以前投稿したローライ35のブログより詳しく、どのあたりまで修理を行う…

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では皆様よきフィルムカメラライフを。

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