Canon VL フィルムカメラ修理
こんにちは
1/1フィルムカメラサービス修理者 ハヤシ ショウタです。
今回はCanon VLの修理に関してお話しさせていただきます。
このあたりのCanonのレンジファインダーには機種名が刻印されておらず、
判別が大変ですが、シャッタースピードや巻き戻しの形状などを確認して行きます。
もしかしたらこの機種も実は違ったなんてこともありそうで怖いですが、
VLという事で話を進めます。
Canon VLは1958年に発売されたレンジファインダーです。
このカメラは最近人気のカメラ、、、という訳ではなく、自分の思い入れのあるカメラですので、
1台購入し、自分でガンガン使う用に整備していました。
こちらのカメラは実はフィルムカメラを始めるきっかけとなった祖父が初任給で購入した
カメラで、当時デジカメばっかり使っていた僕にくれたそんな1台なのです。
ですので、このカメラに人気があろうがなかろうが僕にとっては関係がなく、
ただただ個人的に意味のある1台なわけです。
そういったマイナーなカメラも能な限り対応していきたいと思っています。
自分の大切なものにメジャーもマイナーもないですからね。
ではどんな感じで修理を行ったか書いていきます。
弱点・修理箇所
このあたりのCanonのレンジファインダーには金属幕を使用しています。
こちらの金属幕は替えがないので、もし幕が破れてしまったなどの修理には
金属幕での交換はできません。布幕で交換は可能かと思います。
今回はジャンクカメラ扱いの個体を購入したので全点検修理を行いました。
外観から巻き戻し部分に緑青が出ていたので内部へ錆の進行がどのようになっているか
心配でしたが、外装だけにとどまってくれていました。
そのあたりの清掃はしっかりと行いました。
1/1で行う修理内容
大まかに修理内容を書いていきます。
上下、前板を取るとこんな感じに開けます。
各所よく見えて整備性もよいです。
- ファインダーの清掃
- 駆動部への注油
- シャッター測定器を使用した幕速の点検、調整
- スローガバナー清掃、注油
- スローガバナー位置調整
- セルフタイマー清掃、注油
- 巻き上げ点検
- フィルムを入れた巻き戻し点検
- シンクロテスト
- 外観、フィルム室清掃
大まかにはこんな感じですが、こちらのカメラファインダー部分が少し特殊で
回転式逆ガリレオビューファインダーというものが付いています。
手前の丸い部品が回転し、視野倍率変更を可能にしてくれます。
そこも分解し、ファインダーを清掃します。
こんな感じです。
細かい作業ですが、カビが生えて少し見にくくなっていたファインダーがすっきりしました。
カスタマイズ
今回こちらは自分用のカメラですのでちょっと文字色の変更をしてみました。
緑のストラップを使う予定でしたので、文字色を一部緑に変えてみました。
わかりにくいですが、本来赤だった巻き戻し部分の表示と
ファインダー倍率の矢印、距離基準マーク?あとは隠していますが
個体番号の7だけ緑になっています。
こんなちょっとしたオリジナルカメラに仕上げるのも機種によりますが、
対応していますので興味のある方はお問い合わせより
お気軽にご連絡ください。
ではまた
1/1 repaire ハヤシ ショウタ